いきあたりばっ撮り

カメラを抱いた渡り鳥

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

クロサギ隠遁の術

クロサギはバーダー以外には見えない。 干潮の磯でクロサギを撮っていても、磯遊びの連中は遠慮なく追い立ててくれる。 沖のウミアイサでも狙っていると思っている。 別に逃げても困りはしない。 飛んでもらったり、違うシーンも撮りたいから、かえって好都…

長洲干拓鳥模様

早春は鳥にとっても節目の時である。 寒さは緩んでくるが、餌は乏しくなる。 そして次の繁殖への蠢動の季節である。 越冬していた冬鳥たちがそろそろ寄り添いながら、浮き足立っている。 留鳥たちも春への準備に余念がない。 鳥たちは季節の移ろいを、人の何…

アカツクシガモいいけどツクシガモもいいぞ

秋刀魚は目黒じゃないけれど、ツクシガモは長洲に限る。 去年までは青い海をバックに、群れの飛翔を狙ったけど、これは大授搦では無理だ。 ロケーションは断然地元だ。 この日は干潟になってしまったけれど、アカツクシガモを狙っているとき、近くのツクシガ…

クイナ鳴くころ

クイナは郷愁の鳥。 子供のころ、唱歌でしか知らなかった鳥だが、歌詞の内容はわたしが育った環境そのものだったから、そこら辺の田んぼでも鳴いているものだと思っていた。 しかし、その姿も声も実際見聞きしたことはなかった。 ただ、その声の本当の主であ…

カヤクグリはカヤクグラズ

鳥見をしてると、鳥のことを何も知らないなあとゼツボー的な気持ちになる。 鳴き声はわからないし、鳥が出ていないときは、どこでどんな暮らしをしてるのだろうか、どういう具合に環境と馴染んでいたり、抗っていたりするんだろうか。 何も考えず、何も感じ…

アカツクシガモ夫婦善哉

何度かアカツクシガモに会った宇佐の塩田跡が埋め立てられて、もう会えないかと思ったが、今年は長洲に来ているという。 番いのようなので、天気もいいし、絵になりそうなので会いに出かけた。 途中ウミアイサと遊んで、着いたら満潮すぎていて、遠くの砂州…

バーダーの海浜物語

上人ヶ浜の遊歩道をカメラを抱えてうろうろしていると、しばしば「なに撮ってるの」と胡散臭げな目で尋ねられる。 面倒臭いので「別に」と答えると、「砂湯じゃないの」とストーカー並みに畳み掛けられる。 何で、裸でも水着でもない、砂かぶりの人間を撮ら…

おれがコゲラだったころ

歩いて3分のところにあるM公園は梅の名所で、今がピークである。 この後、寒緋桜、染井吉野と続く。 子供の頃は雑木林で、ヒヨドリ目当ての撥ね罠を作ったり、とりもちでメジロを狙ったりしたが、うまく行った試しがなかった。 友達が持ち出した親のかすみ…

鳥に変わりがあるじゃなし

鳥が何であるかではない。 鳥が何をやっているかである。 何を写したかではない。 どう写したかである。 つまり、ネタがなくなると、手近なところで適当に見繕えばいいということである。 そこで、バーダーの美学と技が問われるのである。 いいじゃないの、…

泣くなビンズイ

ビンズイはタヒバリとそっくりだが、緑色がかっている分だけ幾分上品な感じがする。 だからビンズイという名前も、どこか謎めいた曰く因縁ありげな響きがある。 ところが「ビンビンツイツイ」で便追だという。 当て字にしてもお粗末すぎる。 なら、別名のキ…

アントキコントキノアトリ

アトリは田んぼで群れてるイメージだが、今冬は他の鳥に混じって単独や少数の群れで見ることが多かった。 近くで見ると里山にも冬山にも似つかわしい黄色味の綺麗な鳥だ。 アトリ科の鳥に混じっていることが多いようで、ヒワやマシコ、シメやイカル、イスカ…

ベニマシコなだけでいい

バーダーは因果な稼業である。 孤独を愛しながら、ネタを稼がなければならない。 世俗を離れながら、初物、一番乗りを狙う。 無欲と言いながら、Photoshopに頼る。 無心と言いながら、目くそ鼻くそを笑う。 ベニマシコはいい。 赤くなくても、ハンサムでも、…

年寄りの冷や氷

もう一度、雪中のトラツグミを撮り直してやろうと、雪の休日志高湖へ向かうことにした。 前回のショットが、露出もピントも今ひとつだったから。 標高600mへの急坂は、午前中は圧雪アイスバーンでチェーン規制がかかっていた。 家から、チェーン装着した…

雪の日の公園の鳥たち

この冬2度目の積雪があった翌朝、近くの公園を覗いて見ました。 雪の上の鳥は探しやすいですが、雪の白さに明るさが合うと、被写体は真っ黒になってしまいます。 コントラストがついて地味な鳥ではモノトーンの色調になってしまいます。 いつもの馴染みの鳥…

ハゼの木の下と上で

ハゼの実を食べる、食べないに関わらず、ハゼの木とその周辺には様々な鳥たちがやって来る。 ウソやカケスやアオゲラのようにたまにしか姿を見せないものもいるし、なぜこんなところにというようなミスマッチな?鳥もいる。 わたしの勘違いなのか、アトリや…

ミヤホはフレンドリー

ミヤマホオジロは深山の名の通り、人目を避けた奥深いところにいるわけだが、実は、結構人里にも降りて来る。 ハゼの木はその実を狙ってではないが、ヤマガラなどにつられて、好奇心が強いのか、おこぼれを狙ってか、ちょいちょい姿を現す。 餌の乏しい時期…

青い鳥とハゼの木

塚野山の道端のハゼの木は鳥見ブロガーのお助け神である。 ハゼの実がある限り、ここに来る鳥は旬である。 ルリビタキ狙いのバーダーが多いが、わたしもその一人である。 来る時々でルリビタキの違った姿が見られる。 一冬過ごして、その青さは一際ルリ化し…

近場のメジロ

旬といえば旬であるが、寒の内に出すべきだったかもしれない。 今年は薮椿も侘助もよく花をつけて、開花期も長かった。 咲くとすぐメジロがやってきて、花片にぶら下がり爪痕を残すので、なかなか無傷の花は撮れなかった。 近くにいると、木の裏側に回ってし…

志高湖の片隅で出会う鳥たち

わたしが鳥見を始めて、最初感じたことは、へぇー、こんなところにこんな鳥がいるんだという驚きだった。 鳥見は一山越えなければできないと思い込んでいたのが、すぐ近くでも、その気になれば、少なからぬ掘り出し物がなくはなかった。 志高湖も、それまで…

オシドリを見に嘉瀬川まで

佐賀に行けばサギ、カモ、シギチやカササギは定番であるが、それにオシドリも加わった。 嘉瀬川といえば下流のバルーンフェスタや干潟の鳥で馴染みが深いが、上流部も学生時代、アウトドアでなんども訪れていた景勝地だった。 中流の川上峡もアクセスのいい…

冬の大授搦 ハマシギ、ダイゼン、エトセトラ

大授搦で圧倒されるのは、シギチの群れの群舞である。 一斉に飛び立つと、一瞬、空を埋め尽くす黒雲のようになる。 その雲が鳥玉になり、形を変えながら、散開し、凝縮しながら上に下に、鳴き声とともに移動して行く。 次々に吸い込まれるように干潟に降り立…

冬の大授搦 ツクシガモ

冬の大授搦のもう一つの主役はツクシガモである。 何を撮ってもバックにはツクシガモが写り込んでいる。 何千羽もいるとただのマスだが、干潮時にはツクシガモしか目につかない。 概ね水際か沖合にいるが、海苔ヒビの鳥追いの爆竹音で、他のカモにつられて舞…

冬の大授搦 ダイシャクシギ

ダイシャクシギのような鳥がいることは奇跡である。 日本のあちこちに広大な干潟や水辺の生態系があったことの名残である。 自然環境に合わせて進化してきたものが、今やむしろネックになってきている。 わずかに残された干潟で優雅に舞うダイシャクシギを見…

冬の大授搦 クロツラヘラサギ

クロツラヘラサギは絶滅危惧種と言われている。 ヘラサギはもっと少ない。 でも稀有だから会いに行くわけでもない。 どうもクロツラヘラサギにしろ、ダイシャクシギにしろ、嘴のへんてこに長いのが好きなのだ。 初めはへんてこだと思っていたのが、だんだん…