いきあたりばっ撮り

カメラを抱いた渡り鳥

幻の風を慕いて

ブッポウソウを初夏の風といったが、サンコウチョウの方がもっとそれに近い。
木の下闇を、見えるか見えないかの黒い影が、スウーッと流れた先に、細長い尾羽が付いた鳥影をとらえたら、それはバーダーの至福の瞬間である。
ただ喜んではいられない、間髪を入れず、ファインダーに収め、ピントを合わせ、シャッターを押さねば、ものにできない。
素早い動きで、一時もじっとしていないし、暗い場所の、葉陰や枝被りに止まれば、なかなか合焦しないから、ショットは、まるで通り過ぎた風のようなおぼろな姿か、よくて尻尾の先っぽ、大抵はもぬけの殻となる。
まさにサンコウチョウはバーダーの眼福というより、バーダーの腕とセンスが試される試金石なのだ。
そのうち風をも写す高機能のカメラができるだろうが、わたしには間に合わないよな。

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