ティカル遺跡の入り口の大木にホエザルがいた。
ホエザルの咆哮を前に聞いたのはいつだろうと考えたら、前日のGuacamayasuの朝だった。
ロッジのベッドでわたしは咆哮をあたかも子守唄や刻の声みたいに聞いたのだ。
それは気味悪くも耳障りでもなかった。
当然初めて聞いたはずなのに懐かしささえ覚えていた。
こどもの頃、いろいろな声を聞きながら寝ついたものだ。
犬の遠吠え、ヨタカの声、ウシガエルの唸り・・・
もちろん風の音や、水の音、トタン屋根の打ち合う音、青大将の這擦音・・・
夜がうるさいなどと誰も思わなかった。
今は車の排気音、救急車のサイレン、テレビの笑い声・・・
これらには慣れたけど生き物の声は許されない。
Mantled Howler Monkey(マントホエザル)