いきあたりばっ撮り

カメラを抱いた渡り鳥

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

見上げたもんだよヤイロのふんどし

県民の森に、バーダーを魅了してやまない鳥たちのラッシュが続き、わたしも遅ればせながら、2種の鳥を撮ることができた。 難物は前エントリーのジュウイチかもしれないが、何といっても極め付けはヤイロチョウだろう。 いつもその姿の一部しか見せてくれな…

そこに止り木があるからだ

バーダーには2つのタイプがある。 情報を待つタイプと情報を生み出すタイプ。 大半が前者だ。 後者になるには、天性の素質と造詣と経験と技術と何よりも想像力が必要だ。 そういう人がいることで、鳥見は回る。 わたしの周りには優れたバーダーが多くいて、…

夏の風物詩、アオバトの潮飲み

白木の海岸に、アオバトが潮飲みにやってくるようになると夏である。 仕事をやめて、別大国道を走る機会も増えた。 アオバトをチェックに、回り道することもある。 ただ走ればいいのだ。 アオバトの群れが国道を横切っていれば、潮飲みが始まって、夏が来た…

コマドリさん、こんにちは

コマドリほど、耳に馴染んで、目にすることのなかった野鳥はいない。 鳥は人を選ぶというけれど、いうか~、コマドリくらい人を選ぶ野鳥はいない。 大分では、黒岳の山頂で野宿しないと見られない。 そんなことのできる年ではない。 ないない尽くしのコマド…

上高地のミソサザイサービス

上高地には、原生林の中を梓川に注ぐ水量豊かな渓流が、いくつも轟々と流れている。 透き通った静かな流れの清流も、森の中のあちこちに見られる。 苔むした倒木や切り株もなすがままに朽ちている。 様々な鳥の声が水音を遮るように響いてくる。 中でもけた…

アマツバメとイワツバメ

ツバメは特急の名前であったくらい早く飛ぶ。 その飛翔を非常に綺麗に撮っているショットを何度か見かけて、どうやって撮るのか知らんと思っていた。 先日のBirding Tourでアマツバメとイワツバメの群れに出会い、シャッターを切ったが、なかなかピンがこな…

キバシリの巣立ちに立ち会う

鳥見はたくさんの鳥に会うことだけではない。 いかに自然界の驚異や感動を共有するかということだ。 そうガイドでナチュラリストのNさんがいっていた。 まさしくいった通りだった。 それは胸が熱くなる経験だった。 キバシリを眺めていると、餌を咥えて木穴…

雨と風と霧の中のライチョウ

鳥見のツアーに初めて参加した。 乗鞍畳平でのライチョウと上高地でのコマドリがターゲットの2泊3日の旅だった。 鳥見だから当たり外れがある。 山の天気は変わりやすい、というかほぼ雲の中である。 3000mともなれば、ハイマツしか生えない強風の中で…

蜂熊の眼光りて青嵐

バーダーもいろいろあって、猛禽好きも、好みの猛禽だけ追う者や、タカの渡りを高みの見物と洒落込む者もいる。 わたしはいわゆる石垣ドンコで目の前にきた餌なら何にでも飛びつく。 鳥友からの知らせで、ハチクマの渡りを見に八面山に出かけたが、渡り好き…

蜂熊の渡り見下ろす夏の山

前日の雨が上がった快晴の朝、ハチクマの鷹柱を期待して八面山を登った。 前回知り合ったバードカウンターの方が、この日は全く姿がないという。 雨が上がって、この森から湧き上がるわけではなくて、ただ上昇気流に乗って上がって行くために、大陸より渡っ…

八面山蜂熊の背に光溢れ

ハチクマの渡りを初めて見た。 タカの渡りは概ね外してきた。 気候天候任せで、タカのルートの判断には及びもつかない。 鳥友からの連絡で飛んでいった。 八面山は周防灘を臨み、宇佐中津平野を眼下に見下ろす、眺望に優れた山だ。 渡りのピークには、裾野の…

鴫喰わるる食物連鎖は人の言

生物が生物を食う。 人はそれを食物連鎖だとか弱肉強食だとか自然の摂理だとかいって、理屈化しようとする。 そうやって納得すれば、それはもう日常茶飯事として、何の感興も催さなくてすむ。 世界の隅々で起こっていることも、見なければなかったことになる…

一同に鴫の見ている大海原

シギチの見ている方向は皆同じだ。 飛び出しで、向く方向が違うと衝突したり、もつれたりして大混乱になる。 人なら将棋倒しになるところだが、シギチはそうならない。 おそらく、一定の間合いを取る暗黙の了解があるのだろう。 人は間合いを取るのが下手だ…

五月雨や鴫は水浴び躊躇わず

鳥は何のために水浴びするのか、知っていたような気がするけれど、忘れてしまった。 雨が土砂降りなのに水浴びするのは、一層わからない。 付いた虫を落とすためだったかしら。 忘れていいことは忘れるのが老人力だというけれど、使わなければ衰えるのが頭で…

鳥雲の塵に見ゆる日檸檬噛む

何度でもいう。 鳥雲を見るのが好きだ。 スケールは東与賀ほどではないが、荒尾海岸は光の加減がいいし、作業用道路が浜に接しているので、休日なら浜の近くで車の中から観察できる。 とはいっても、いろいろな人がいるから、文句が出るのかもしれない。 地…

シギとシギの間を割りてシギとシギ

荒尾干潟には数もさることながら、いろいろなシギチが混じっている。 たまにはシギチ同士が追い立てていることはあるが、概ね穏やかに行動している。 餌が豊富で競合することもないのか、共同の敵に対しているからかもしれない。 同種のシギチは大方固まって…

夏羽のシギの如くに人恋はむ

夏羽のオオソリハシシギは美しい。 なかなかうまく群れに出会うチャンスがなかった。 撮るなら東与賀よりも荒尾干潟だと思っていた。 こっちの方が午前中は順光になりやすいし、大潮でなくても近くで取れる。 何よりも近くに娘が住んでいるので、足場がいい…

水玉のシギの背に列ぶ皐月雨

雨の日の鳥見が好きだ。 他に人はいない。 当たり前だ。 条件も悪い。 暗いし、濡れる。 だが、ものは考えようで、逆転の発想をすればいい。 人が見ないものを見る楽しみ。 旅鳥たちの健気さもひとしおだ。 何も困ることはない。 濡れない方法もある。 何、…

大瑠璃の声に色着く山路かな

オオルリは難しい。 何といっても、オオルリのオオルリたる所以の瑠璃色が難しい。 5月の明るい日差しの下では、光をはね返してしまう。 すると構造色の瑠璃色は壊れてしまう。 無彩色になったり、コントラストがつきすぎて、柔らかな瑠璃色が現れない。 鳥…

キビタキや動体視力懐かしき

情けないショットばかりじゃ、キビタキさんに申し訳ない。 お天とさんの下に出てもらえば、ピンもくるし、SSも上がる、色も出るし、ノイズもない。 だけど映るものが多すぎる。 バックがゴチャゴチャしてキビちゃんの魅力がガタ落ちするのが困る。 少々演出…

金色の鳥の飛びけり木下闇

キビタキの営巣が始まっているらしい。 鳥のやることは早い。 県北の林を探索していると、キビタキの声がして、姿を表した。 どこでも、メスは目につきにくいのか、ほとんどがオスだ。 もうさえずりは終わったのか。 木漏れ日は強いが、木の下は暗い。 キビ…

鳥は人を選ぶ

山道を登っていたら、道端でで休んでいたハイカーのおばちゃんから、あんたどこに行くのと尋ねられた。 鳥見ですというと、こげなところに鳥はおらんよとたしなめられた。 それがおるんや。 何がおるの。 オオルリとか。 へえー、どんな声で鳴くの。 知らん…