ハナウドレストランの客とご馳走

コジュリンと違い、コヨシキリはフレンドリーというか、人をあまり意に介しない。
瀬の本高原のユウスゲは盛りを過ぎつつあるが、ハナウドはまだあちこちで咲き誇っていて、たくさんの虫が集まっている。
その虫が目当てか、草の中から、コヨシキリの声が聞こえる。
しばらく待つと、ハナウドの下の方から、コヨシキリが枝伝いに上がって来る。
時には、虫を狙うようなそぶりも見せる。
虫には不自由してないようだから、ただ、縄張り宣言台として上がるだけなのかもしれない。
コヨシキリは声の悪いウグイスのようだ。
コジュリンほど居場所を選ばないのか、広い高原のあちこちで声がする。
ハナウドは、白く繊細なレースのようで涼感がある。
ハナウドが終わると、高原の短い夏も終わる。

[