いきあたりばっ撮り

カメラを抱いた渡り鳥

「虫のいろいろ」

先日マルハナバチアジサイのコラボをアップした際触れたハチの飛行の構造力学的には不可解という話は、昔読んだ尾崎一雄の「虫のいろいろ」という短編にある挿話の1つだった。
それは身辺の様々な虫の振る舞いを冷徹かつユーモラスに客視しながら、相似した人間の世界観あるいは死生観を言外に語った深く味わいのある一篇だった。
尾崎がこの作品を書いた年令をもうとっくに越えながらわたしの虫を見る目は未だにピンがどうのポケがどうのといったところに留まっている。
一応わたしの昆虫ショットも人生観照の一環なのだが、いまの時代は不可解なこともなくなったし、”老人力”もついてまだ先が見えたという年でもないし、いつか彼のような境地に達すればいいという気でのんびりシャッターを押している。
なんだかわたしも「少し不機嫌な気分になってきたのだ」った。

ホソヒラタアブ
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どこにでもいる美しいアブ
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逆光で見ると胴が透けて見える
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