いきあたりばっ撮り

カメラを抱いた渡り鳥

鳥を撮るフォース

かみさんが小松さんという虫屋さんの「?鶚月紀」というブログのファンで、彼らが出した「アリの巣の生きもの図鑑」という本を早速購入したのをわたしも相伴させてもらっている。
それは図鑑というには斬新で、ユニークで、ファンタスティックで、普通にイメージする図鑑というより写真集や美術書に近い学術書というべき体裁になっている。
内容もこれまで身近にいながらあまり人目にふれていなかったアリと、それと共生する好蟻性生物たちの生態が精細かつリアルに活写され、未知の世界に踏み込んだ興奮に包まれる。
飴色に光るアリの美しい姿態、それにまとわる好蟻性生物の新奇さは感動的でさえある。
バーダーとしてはここにある美しくも巧みなショットの数々がどれだけ高度なマクロ撮影システムで撮られたものかと知りたい気持ちが逸るが、そんな気持ちは中に挟まれた著者らのこれまた規格外のコラムの記述に唖然とさせられてしまう。
それらはなにも高価なカメラやレンズや照明装置で撮ったものではないという。LUMIX FZ50というコンデジだったり内臓ストロボに牛乳パックをディフューザーにして撮ったものも多いという。
撮影でものをいうのは虫に関する知識と経験、それに生来持つ「虫と通じる能力=フォース」なのだと。
鳥撮りで日頃感じていたもどかしさが残念ながら腑に落ちたことであった。
フォースはなくてもそれを補う鳥への愛着だけは人一倍あるんだからね。
フォースというのは好きだということと似たようなもんじゃないかね。

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