よく海岸線を走るが、ここのような磯は地元にはもうほとんどない。
わずかに残された数百メートルの岩場は留鳥や旅鳥の餌場やねぐらとしてかけがえのない場所なのだ。
数人のバーダー以外に、ここに様々な鳥が入ることに気づくものはいない。
このクロサギのように目立たない鳥は、気合いを入れて探さなければ目に入らない。
干潮の水際の小さな石の塊のようにしか見えないから。
おかげで誰にも邪魔されず、クロサギの移動するままに追いかけることができる。
カラスほどもない大きさの鳥なのに、そのパフォーマンスというか表情は、いつまで見ていても飽きない。
人はこんな岩ばかりの風景を撮りまくっている変人カメラマンとしてしか見ていないだろうが、それはそれでありがたい。