なりたい鳥はダイシャクシギだとかなんとかいった舌の根も乾かないうちに、本当はトラツグミなどといったら、わたしへの信用は地に落ちるかもね、いいけど。
鳥になりたい気持ちはあるわけよ。
トラツグミを見るとそのかっこよさに惚れ惚れする。
その意匠のなんとセンスのいいこと。
順光の側面に回り込んで目の中に入れてもらい、トラツグミの気分になったわけさ。
宇佐の干拓地に4羽のナベヅルが飛来していた。
2羽の成鳥と1羽の幼鳥が先に来て、後で1羽のはぐれた幼鳥が加わったらしい。
でも後から来た幼鳥は仲間に入れてもらえない。
混ざろうとするとすぐに追い払われる。
ナベヅルは家族単位で行動し、テリトリーに入ってきたものは威嚇して追い払う。
はぐれた幼鳥は親を見つけ出すしかない。
親には途中で見捨てられたらしいが。
鳥の群れを見分けるのは苦手だ。
目もかすむのに、識別して撮るなんて、どだい無理な話。
でも群れの大きさ、バラつき具合で大方わかる。
越冬しているチドリサイズは、ハマシギとシロチドリがほとんどだから。
わたしの楽しみ方は、何の群れだろうが構わない無手勝流、バーダーの風上にも置けないだろうが。
7RULESなんて必要ない。
いつもの伝で群れの飛翔待ちである。
干潟道路で潮待ちをしているクロツラとヘラサギの18羽の群れに出くわした。
満潮すぎているから、そのうち餌場へ飛び立つものと思ったが、1時間余り待って動き出したと思ったら、すぐ下の浅瀬に降りて採餌し始めた。
そのまま沖の方へ行っていつのまにか飛び立っていた。
それで飛んだ方向へ走って、防波堤から覗くとすぐ近くからすぐに飛び立ってくれた。
段取り悪いサギ師と驚かしたサギ師を使い分けて、なんとか飛んでもらった。
3月とはいえ男池はまだ冬だ。
駐車場にも誰もいない。
閉まった茶店の前に止まった車は湧水を汲みに来た人のようだ。
奥まで行くのはやめて入ってすぐの川岸をしばらく探る。
時々鳴き声が聞こえるような気がするのは空耳かもしれない。
何も聞こえないよりはマシだ。
ハングル語の団体が怪訝な顔をしながら通り過ぎていった。
説明のしようはないが、おそらく知らないものには見えようがないだろう。
自分だって動いているところを見当で撮ってるだけだから。