いきあたりばっ撮り

カメラを抱いた渡り鳥

花火はいつも俯瞰遠花火

花火はわたしにはいつも遠花火である。
下から見上げるのは、首が回らないわたしには苦手だからというのは嘘だが、花火を見るために暑苦しい人ごみに分け入る気にはならない。
海から離れた高台に生まれ育った者には、見返り坂という町外れまで行って、夕涼みがてら蚊に食われるのが、夜遊び代わりのお楽しみだった。
握りこぶしほどの光の傘が開いて消えて、数秒も経って小さくポンと空気がはじける音がする。
いつ上がるか判らないのを待つ集中力はなくて、こども同士でふざけ合うのが密かな狙いだった。
以来花火は大自然の片隅の瞬きにも似た慰めだった。

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