いきあたりばっ撮り

カメラを抱いた渡り鳥

おらぁ立ち木だ ミゾゴイ

2週間あまり前にミゾゴイの話が出てたが、希少な上、あまり人前にも姿を現さないということで、週末バーダーのわたしには縁のないものと聞き流していた。
ところがまだいるらしいよと仲間から連絡があり、朝の一番仕込み(ネタの)を終えて早速出かけた。
現地には何人かのバーダーさんがたむろしていて場所はすぐわかった。
道路脇でカメラを構えているバーダーさんの側にセッティングして待つと、まもなく草叢の奥の水路からおもむろに姿を現した。
その動作はスローモーな太極拳の様で、枯れ枝を切っている作業員が駆け寄ったりしても、一向に動じない。
ときどき首を伸ばして天を仰ぐ。
そばにいたバーダー氏があれが擬態のパフォーマンスだと教えてくれた。
全身像が撮れたのでもういいかと思っていたら、徐々にこちらに近づいて来る。
いつのまにか画面いっぱいいっぱいになって、こちらが後ずさりしなければならなくなった。
思ったほど人見知りでも地味でもないじゃないか。
ドアップになるとその羽の微細な模様やグラデュエーションや顔つきも露になり、なぜかいとしいような切ないような気持ちに満たされていた。

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