いきあたりばっ撮り

カメラを抱いた渡り鳥

ヤマセミは知っていた

「あんた、また入っちょんの。また同じようなショットを積み重ねてなんの得があんの」
「土手降りて来んのが見えたけど、見えんでもあんたやゆうことはすぐ分かる。大きなレンズ突き出して、タイミングはずしてガチャガチャ連写すんのはあんたしかおらんけんな」
「あんたもいい年なんやけん、いい加減一人でうろちょろするのは止めたら。独り言ゆうたり、トイレにしょっちゅう立ったり、年寄りの証拠やろ。どこでぽっくりいくかわからんで。何え、そうできたら本望やち、やっとられんわ」
「また旬の獲物は逃がしたんやろ。こんな時間に来るのはネタ稼ぎしかないからな。わたしも迷惑しとるんで。あんたに婚活邪魔されて」

「白飛びせんようにアンダーに補正したやろな」「・・・」
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「獲物くわえちょるところは撮ったんかえ」「・・・」
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「飛び込んだのは見えた?」「・・・」
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「片目でも見えるんやけど、前も死角はないんやで」「・・・」
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「着地を撮らんかえ」「・・・」
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「何回このポーズで撮ったんかい」「・・・」
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「いつまでも保険が効くと思うなえ」「はい、すいません」
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