いきあたりばっ撮り

カメラを抱いた渡り鳥

ノスリは擦れなかった話

冬の由布岳をバックに猛禽を撮る、これはわたしのささやかな願いだ。

これまではカワラヒワくらいしか撮ったことはない。

大体、鳥と山は合わない。

バランスが取れない。

猛禽だって小さすぎる。

ピンがこない。

霧氷の山はピンを引っ張る。

庄内町へ降る坂でノスリを見かけて、田んぼに腹這いになってノスリ由布に被らせてみたが、不自然な格好ではことごとく飛び出しのチャンスを外してしまった。

下にしか飛び出さないから、擦ったのは私の腹だけだった。