いきあたりばっ撮り

カメラを抱いた渡り鳥

日暮れになると涙が出るのよ

コミミズクが現れるのは日没以後だ。

ときたま明るいうちに出ることがあるので昼間から待つ人もいるが、多忙な人にはおすすめできない。

暮れに情報をもらってすぐに行こうとしたが年末年始を挟んで、とうとう2週間も空いてしまった。

帰省中の娘を連れて出かけたが、それが正解だった。

1時間くらい現地のポイントで待ったが日没過ぎても一向に気配がない。

寒さも一段と厳しくなったので、諦めて帰ろうとしたときに、娘があれ何、飛び方が違うと声を上げた。

ならコミミだと直感して、すぐに車を降りて手持ちでカメラを構えた。

指差す方向の100mほど先に羽ばたく鳥らしき姿が見えた。

やがて葦原を横切ってコミミが姿を現した。

すぐ近くを2度旋回してくれて姿を消した。

夕暮れ時ともなると、寒さが堪える。

薄暗がりは霞んでしまう。

諦めもよくなる。

でもなんとか撮れたコミミの姿に慰められた。