いきあたりばっ撮り

カメラを抱いた渡り鳥

カオソックの耐えられない暑さ

それは幻覚としか思えない。

今もってそれが現実のものだったのかどうか、定かではない。

去年の5月末、鳥見仲間4人で、南タイのカオソック国立公園に遠征した。

酷暑の中で、徒歩での鳥見は老体にはこたえた。 

見かねたガイドが「明日は自分の車で、巣立ち前のAsian Paradise Flycatcherに会わせる」といってくれた。

見れたら儲けものというぐらいの気持ちでしかなかったが、30分くらい走って奥まった山村に連れていかれた。

そこで農家の親父が、歩いて道路脇の営巣場所に案内してくれた。

道路脇から5メートルほどの緩やかな斜面の小さな立木の枝分かれしたところに巣はあった。

近すぎるので道路の反対側から撮るようにいわれた。

何分かして、来た、といわれて、構えるがさっぱりわからない。

何か白いものがユラユラと降りて来たと思ったら、あっという間に消え去った。

ただ、そこだけ白く揺らめいて、周りを消し去ってしまう圧倒的な光の帯だった。

何回かは、感動で震えて、シャッターを押す間もなかった。

本当に見たものかどうか・・・

 

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この2日後ヒナは巣立ちした。

今はタイも入国を拒んでいる。