鳥見を始める何十年も前から、綾町は憧れだった。
照葉樹の原生林が憧れだったといったほうがいい。
ただ吊り橋の方が目玉のようになって、高所恐怖症のわたしはずっと敬遠していた。
サシバの渡りを早めに切り上げて、10号線を走っていると、綾町まで6キロの表示があった。
意外の近さに、こんな機会はもうそれほどないと、ついハンドルを切った。
実際は、街からさらに10キロほど渓谷沿いを遡ったが。
看板にクマタカの絵を見たせいもある。
純生の照葉樹林は見応えがあった。
渓谷沿いの遊歩道はきつかった。
クマタカには出会えなかったが、リュウキュウサンショウクイには出会えた。